世界というのは、実に不確かであやふやなもので、未来は誰にも予測できない。
三年前に世界中の誰ひとり、新型コロナによる百年に一度のパンデミックを予測できなかった。

なぜ、世界が不確かなものなのかというと、世界中の誰もが思い込みで生きているからだ。
中国はああだろう、レバノンはこうだろう、なんて頭の中で想像しても現実とは異なっている。
1970年代には、日本で「北朝鮮はこの夜の楽園」と言われて在日の帰還事業が進められたが、実際には違っていた。
誰も北朝鮮の現地を見なかったか、見ても良いところしか見せられなかったのだろう。

世界は欺瞞に充ちている。
世界の真の姿を隅々まで知っている人間は、この世には居ない。もし、居るとしたら神に等しい存在だろう。